Shopify制作会社選びで失敗する最大の原因は「制作はできても、移行と運用で詰む会社」を見抜けないことです。
相見積もりは取ったが、提案の良し悪しを判断する物差しがない。そんな発注検討中のWeb・EC担当者へ、この記事は「おすすめ◯選」を一切載せません。代わりに、発注後にこそ効く比較軸と、相見積もりにそのまま使えるチェックリストを渡します。読み終えるころには、各社への質問リストを手に、提案を自分で評価できる状態になっているはずです。
Shopifyそのものの全体像やメリットはShopify構築の基礎ガイドにまとめています。本記事は「どこに頼むか」の判断軸に絞ります。
Shopify制作会社とは?「制作」「構築」「運用」で守備範囲が違う
Shopify制作会社とは、Shopifyを使ったECサイトの立ち上げを請け負う会社の総称です。ただし「制作」と言っても守備範囲は会社ごとに大きく異なり、ここを誤解すると発注後にズレが生じます。
| 層 | 主な作業内容 | 向いている発注先 |
|---|---|---|
| 制作(デザイン中心) | テーマ選定・デザインカスタマイズ・商品登録 | テンプレ運用の小規模 EC |
| 構築(機能カスタマイズ) | アプリ設定・他システム連携・要件定義 | オリジナル要件のある中規模 EC |
| 運用(公開後の伴走) | 改善・グロース・保守・移行 | 売上を伸ばし続けたい事業者 |
通常の制作会社は初期構築・テーマカスタマイズ・アプリ設定・商品登録までを担当し、複数ブランド運用・基幹連携・会員統合・越境やB2BはShopify Plus対応会社の守備範囲です(出典:swooo.net、shopowner-support.net)。プランもBasic(月額29〜39ドル)からPlus(月額2,300ドル〜)まで幅があり(出典:shopify.com)、どの層を頼むかで適した会社は変わります。
Shopify制作会社の選び方|発注後に効く5つの比較軸
「外注すれば安心」は幻想です。実際、依頼後に「公開してみたら使いにくい」「想定より高額になった」という事例が複数報告され、要件定義が不足したままのリプレースは破綻しやすいと指摘されています(出典:web-kanji.com、eczine.jp)。だからこそ見極めの軸が要ります。発注後に効く軸は次の5つです。
- 守備範囲が自社のフェーズと合っているか(制作だけか、運用まで見るか)
- 移行経験があるか(他カートからの乗り換え予定なら必須)
- 公開後の運用に伴走するか(作って終わりではないか)
- オーダーメイドの対応力があるか(テンプレ流用しかできないか)
- 範囲の切り分けを正直に説明するか(できないことを言えるか)
特に差がつく3軸を、以降で深掘りします。
Shopify Experts/Partnersは信頼の証になるか
認定バッジは「制作品質の保証」ではありません。
かつての「Shopify Experts」マーケットプレイスは2023年12月に完全終了し、現在は「Shopify Partner Directory」へ移行しています(出典:boldmatch.com、help.shopify.com)。提案資料に旧称が残っていれば、情報の鮮度を疑う材料になります。
さらに現行のパートナー階層(Registered/Select/Plus/Premier/Platinum)は、四半期ごとに「紹介・共同販売による売上」「既存マーチャント売上」「新規獲得数」といった商流実績で決まります(出典:skailama.com、help.shopify.com)。つまり上位ティアは「Shopifyへの売上貢献が大きい」証であって、「制作がうまい」証ではありません。見るべきは後述する実績と移行経験です。
当社(株式会社六/Roku inc.)は、認定の見え方だけでなくこの評価構造の実体まで踏まえて助言します。バッジで安心させず、判断材料を正直に開示する姿勢こそ選定軸になると考えています。
移行経験の有無で選ぶ
他カート(EC-CUBE・BASEなど)からの乗り換えを控えているなら、移行経験の有無が成否を最も大きく分けます。移行には制作とは別種の落とし穴があるからです。
たとえばEC-CUBEからの移行では、ログインパスワードは技術的に引き継げず全顧客に再設定案内が必須になり、Shopify標準にない販売制限数などの機能は移行できません(出典:bindec.jp、dt-media.jp)。実務上の注意点も多くあります。
- 大量データは手動CSVより専用アプリ(Matrixify等)の利用が推奨。手動整形は作業ミスのリスクが大きい(出典:dt-media.jp、colorful-clover.co.jp)
- 一括の「ビッグバン型」移行はリスクが高く、段階移行が推奨される(出典:dt-media.jp、commerce-media.info)
これらに対処した経験がない会社は、デザインは作れても移行で詰みます。具体的な手順はShopify移行ガイドで解説しています。実績で見極めるなら、reine de fleurや龍園、GIVENCHY オンラインストアのような構築・移行事例に、自社と近いケースがあるかという目で確認するのが有効です。
「作って終わり」か「運用伴走」か
公開はゴールではなくスタートです。ここで会社の姿勢がはっきり分かれます。
制作費だけ受け取って納品後は関与しない会社と、公開後の改善・グロースまで伴走する会社では、半年後・1年後の売上が変わります。費用も初期費用ではなく3年総コストで比較すべきと指摘されています(出典:tsun.ec、web-kanji.com)。伴走力は提案段階で次を確認してください。
- 公開後の改善サイクル(数値を見て何を直すか)を語れるか
- 保守・運用の体制と費用が明示されているか
- テンプレ流用ではなく、要件に合わせたオーダーメイドができるか
当社はAI駆動開発により100%オーダーメイドの構築・改善を高速で回します。テンプレ流用しかできない会社とは、公開後に「変えたい」が出たときの対応速度で差が出ます。なお当社は構築・移行・運用伴走に絞り、発送やCSのフル人手代行は範囲外です。これは弱みではなく、できることとできないことを正直に切り分ける誠実さだと考えています(業界区分としても制作会社と物流・CS代行は別領域です/出典:swooo.net、shopowner-support.net)。一気通貫で相談したい場合はECサイト構築・運用支援をご覧ください。
制作会社・フリーランス・自作の使い分け
正直に言えば、全員が制作会社に頼むべきではありません。Shopifyはテンプレートとノーコードで、Web基礎知識があれば自力構築も可能です。
| 選択肢 | 費用感の目安 | 向いているケース |
|---|---|---|
| 自作 | 0円〜 | 小規模・テンプレ運用で十分 |
| フリーランス | 20〜50万円 | コスト重視・要件がシンプル |
| 制作会社 | 30万円〜数百万円 | 移行あり/運用で伸ばしたい |
コスト重視・小規模なら自作やフリーランスが適すという指摘があります(出典:system-kanji.com、tsun.ec)。制作会社が効くのは、移行や運用で詰むリスクがある層です。自社がどこに当たるかの見極めが先決です。費用相場の詳細はShopify制作費用の相場ガイドへ。
発注前チェックリスト
相見積もり中の各社にそのまま投げられる質問です。回答の具体性で力量が見えます。
- 御社の守備範囲は「制作」「構築」「運用」のどこまでですか
- 他カートからの移行実績はありますか(具体的な移行元・件数は)
- パスワード再設定や移行できない機能への対応経験はありますか
- 公開後の改善・保守は提供しますか。その費用体系は
- デザインはテンプレ流用ですか、要件ごとのオーダーメイドですか
- 御社が「対応しない範囲」はどこですか
- 3年間の総コスト試算を出してもらえますか
最後の「対応しない範囲」を明確に答えられる会社は信頼できます。何でもできると言う会社こそ要注意です。
よくある質問
Shopify制作の費用相場は?
小規模30〜100万円、中規模のオリジナルデザイン100〜300万円、大規模フルカスタムは300〜1,000万円超が目安です(出典:tsun.ec、web-kanji.com)。初期費用だけでなく3年総コストで比較してください。詳細は費用相場ガイドへ。
Shopify Expertsに頼めば安心?
「Shopify Experts」は2023年12月に終了し、現在はPartner Directoryへ移行済みです(出典:boldmatch.com)。パートナー階層は商流実績で評価されるため、認定は制作品質の保証ではありません。実績と移行経験で見極めてください。
フリーランスと制作会社、どちらがいい?
小規模・テンプレ運用ならフリーランス(20〜50万円)や自作で足ります(出典:system-kanji.com)。移行があるケースや公開後に売上を伸ばしたいケースは、運用まで伴走できる制作会社が向きます。
他カートからの移行も同じ会社に頼める?
移行経験のある会社なら可能です。ただしパスワード引き継ぎ不可や移行不可機能など固有の落とし穴があるため(出典:bindec.jp)、移行実績を必ず確認してください。
相見積もり中で「この提案は信頼できるのか」を見極めたい方へ。会社選びの分かれ目は、できないことを正直に言えるかどうかです。当社は構築・移行・運用伴走に絞り、対応しない範囲もはっきりお伝えします。ECサイト構築・運用支援をご確認のうえ、まずはお問い合わせからお気軽にご相談ください。
