「月額20万円」では何も決まりません。EC運用代行の費用は料金体系が4タイプあり、同じ予算でも「何をどこまで任せるか」で実態がまるごと変わるからです。
「EC運営代行の費用相場」を検索すると、多くの記事は「月額◯万円が目安」という一覧表で終わります。しかし発注を検討する立場が本当に知りたいのは、相場表の"内側"のはずです。
知りたいのは、たとえば次のような点でしょう。
- その金額に何が含まれるのか
- 自社のフェーズにどの体系が合うのか
- 成果報酬は本当にお得なのか
- 自分の月商規模ならいくらか
- 内製と比べて本当に安いのか
この記事ではEC運用代行の費用を料金体系(縦軸)×業務(横軸)の二軸で開示します。月額固定型・成果報酬型・複合型・スポット型の4体系の実数レンジに加え、「商品撮影だけ/CSだけ頼んだらいくら」を逆引きできる業務別単価の早見表、楽天・Amazon・Yahooのモール別料金感、そして内製vs外注の数値比較まで揃えます。
あわせて、成果報酬型に潜む構造的リスクや、AI・自動化で「代行に出す工数そのものを減らす」総額圧縮の視点まで、買い手目線で正直に解説します。費用はすべて各社見積もり前提の「レンジ」で示し、単一額の断定は避けます。
EC運用代行の費用は「4つの料金体系」で決まる
費用理解の第一歩は、料金体系の分類です。業界の整理を横断すると、おおむね次の4タイプに分かれます。
| 料金体系 | 費用イメージ(前提つきレンジ) | 向いている検討者 |
|---|---|---|
| 月額固定型 | 月商連動の3段階:月10〜30万円/30〜80万円/80〜150万円以上 | 一定範囲を継続委託したい/予算を読みやすくしたい |
| 成果報酬型 | 売上の3〜10%(包括契約で〜25%)+広告費は別建てが一般的 | 初期費用を抑えたい/売上連動でリスク分散したい |
| 複合型(ハイブリッド) | 固定10〜30万円+売上歩合5〜15%(初期10〜50万円を伴う場合あり) | 立ち上げ・リニューアル期で固定と変動を両立したい |
| スポット型(単発) | 業務単位の単価制(撮影・採寸・原稿・ページ制作・移行など) | 特定業務だけ部分外注したい/繁忙期だけ補強したい |
※いずれも各社見積もり前提のレンジです。特に月額固定型が「月商規模に連動する」点は重要で、同じ「フル運用」でも月商100万円と1,000万円のショップでは適正額が大きく異なります。
ポイントは、「自分はどのタイプを検討すべきか」を先に絞ることです。予算を読みやすくしたいなら月額固定型、初期コストを抑えたいなら成果報酬型・複合型、特定作業だけならスポット型と、検討の入口が変わります。費用相場を一つの数字で捉えようとすると、ここを見誤ります。
ただし、この「料金体系軸」だけでは「自分が外注したい特定業務はいくらか」までは読めません。そこで次章では、もう一つの軸——業務別の単価を早見表で示します。
EC運用代行の全体像を改めて押さえたい方はEC運用代行とは何か(ピラー記事)もご覧ください。
【業務別】単価早見表——「この作業だけ頼んだらいくら」を逆引きする
料金体系が「縦軸」なら、業務別単価は「横軸」です。発注を検討する多くの人は、自社が外注したい特定業務の単価を先に知りたいはず。代表的な業務の相場を一覧化します。
あわせて、各業務がAI・自動化でコストを圧縮できる領域か、そして株式会社六(Roku inc.)が対応する範囲かを1列で示します(当社は発送・CSフル代行を範囲外とするため、ここを正直に明示します)。
| 業務 | 費用レンジ(前提つき) | AIで圧縮できるか | 当社の範囲か |
|---|---|---|---|
| 運用コンサル・戦略設計 | 月10〜30万円程度 | △(分析の一部) | ○ |
| サイト・ページ制作 | 月10〜30万円/初期は方式により50〜300万円超 | △(テンプレ化は可) | ○(構築・移行が強み) |
| 集客・広告運用 | 月5〜40万円、または広告費の10〜30% | △(入稿・レポート自動化) | ○ |
| ささげ(撮影・採寸・原稿) | 1商品500〜1,500円+採寸300〜500円+原稿500円程度 | ◎(原稿・属性は自動化適性大) | ○ |
| 商品登録・属性整備 | 1商品数百円〜(点数・要件で変動) | ◎(GPT-5活用で大幅圧縮) | ◎(当社の主力領域) |
| 物流・発送代行 | 月1〜3万円+配送費(出典:ECのミカタ/EC WITH) | ×(物理作業中心) | ✕(当社の範囲外) |
| カスタマーサポート(CS) | 月5〜15万円(対応時間帯で変動) | ◎(チャットボット等で圧縮) | △(自動化支援のみ。フル代行は範囲外) |
| 運営管理・受注処理 | 月額固定型に含まれることが多い | ○(受注連携の自動化) | ○ |
※単価はソースにより幅があり、いずれも各社見積もり前提のレンジです。
注目してほしいのは右2列です。物流・発送代行(月1〜3万円+配送費)やCSのフル代行は、株式会社六の範囲外です。なぜ範囲外を相場込みで載せるのか——読者が「ここは当社に頼まないのか」を正しく判断できるようにするためです。
当社が得意とするのは、表の右端で「◎」が並ぶ商品登録・属性整備・ささげの自動化領域です。手作業の単価が積み上がりやすく、AIで母数そのものを減らせる業務に集中しています。
CSは「対応時間帯」で単価が変わる——人手の相場と自動化後を対比する
業務別で特に費用差が出るのがCSです。EC WITHの整理では、CSは対応時間帯で次のように変わります(各社見積もり前提)。
- 営業時間内のみ——月5〜10万円程度
- 夜間を含む——月10〜15万円程度
- 24時間365日——月20万円以上
ここで対比したいのが、株式会社六のkintone連携AIチャットボット導入でCS対応時間を60%短縮した実績です。人手でCSを丸ごと外注すると上記のレンジが毎月発生し続けますが、自動化で「人が対応すべき範囲」を絞り込めば、その固定費の構造自体を軽くできます。
CSはフル代行こそ当社の範囲外ですが、自動化で人手CSの母数を減らす支援は当社の得意領域です。
【月額固定型】「月20万円」の中身を分解する
月額固定型は、毎月一定額で決められた業務範囲を任せる最もオーソドックスな体系です。費用は月商規模に連動し、3段階で整理できます。
- 軽度運用:月10〜30万円——月商100〜300万円規模が中心。商品登録や受注処理の一部など限定的な委託。
- 標準運用:月30〜80万円——月商300〜1,000万円規模が中心。商品登録・受注処理・問い合わせ対応など日常運用を一通り。
- フル運用:月80〜150万円以上——月商1,000万円以上が中心。在庫管理・CS・販促まで広く一括委託。
では「月20万円の中身」は何か。月額固定型の費用は、おおむね次の項目に分かれます。
- 人件費(実作業):商品登録、受注処理、在庫更新など。総額で最も大きな比率を占めることが多い部分。
- ディレクション費:設計・進行管理・レポーティング。総額の10〜20%程度を占めることがあり、見えにくいが重要なコスト。
- 施策実行費:ページ改善、キャンペーン設計、メルマガ・LINE配信など。
- カスタマーサポート費:含む場合は月5〜15万円程度が目安で、対応時間帯で変動。
注意すべきは、広告費は手数料と別建てが一般的な点です。「月額◯万円」に出稿費そのものは含まれません。見積もり比較では「その金額に広告費が含まれるか」を必ず確認してください。
月額固定型のメリットは予算の読みやすさと改善の積み上がり、デメリットは繁閑にかかわらず固定費がかかることです。自社の月商規模と委託範囲を3段階のどこに当てはめるかが第一歩です。
【成果報酬型】料率相場と"構造的リスク"を正直に
成果報酬型は成果に応じて費用を払う体系です。料率は売上の3〜10%が中心帯ですが、包括契約になると15〜25%まで上がるソースもあり、「単一の相場」は存在しません。
コツは、「業務範囲が広いほど料率が上がる」構造として捉えることです(部分的な集客支援なら3〜10%、構築から運用まで包括なら15〜25%)。
まず「成果報酬の良さ」は事実として認める
成果報酬型を「初期費用を抑えられる」「成果が出た分だけ払えばよい」と肯定的に紹介する解説は多く、これは事実として正しい面があります。立ち上げ期で売上が読めない、固定費が不安、という事業者にとって初期リスクを抑えられる合理性は確かにあり、否定はしません。
その上で、買い手が知っておくべき構造的リスクを3点、正直にお伝えします。
リスク1:低単価・高回転商材では固定型より割高化しうる
成果報酬は「売上が伸びるほどコストも比例して増える」体系です。あるサービス事業者自身も、売上拡大に伴い手数料負担が増える点を明記しています。
月商が大きく成長すると、料率10%でも月額固定型を上回るケースがあります。特に低単価・高回転で売上が積み上がりやすい商材ほど比例増の影響を受けやすく、固定型のほうが結果的に安くなることがあります。
リスク2:短期売上に偏り、中長期・LTV施策が後回しになりうる
代行側の報酬が短期成果に直結するため、施策が短期売上に偏りやすい構造があります。ただし過度な一般化は禁物です。
「成果報酬だと必ずコンバージョンの質が下がる」は正確ではなく、質低下が問題になりやすいのは主に資料請求や無料系など特定の成果地点だと整理されています。EC売上歩合では即座に質が下がるとは限りません。
正確に言えばリスクは「即・質低下」ではなく、ブランド構築やLTV(Lifetime Value/顧客生涯価値)向上といった、すぐ数字に表れない中長期施策が後回しになりやすい点にあります。短期売上だけで報酬が決まる設計では、3年後に効く投資のインセンティブが働きにくいのです。
リスク3:広告費・最低保証・初期費用など「隠れコスト」
「成果報酬◯%」という料率だけでは総額になりません。前述の通り広告費は別建てが一般的で、ここが見えにくい最大のポイントです。
加えて最低保証額(売上が低くても下限額が発生)や初期費用が別途設定されるケースもあります。「成果が出なければ払わなくていい」という印象だけで契約すると、これらで想定が狂います。
検討時は料率の数字だけでなく「何が料率の外側で発生するか」を契約前に洗い出すことが重要です。料金以外の判断軸はEC運用代行の選び方でも触れています。
契約前に確認すべき「見えにくいコスト」チェックリスト
成果報酬型の隠れコストに限らず、どの料金体系でも見積もり段階で確認しておくべき追加費用があります。EC WITHは保守費やセキュリティ更新、スタッフ育成費まで含めた総所有コスト(TCO/Total Cost of Ownership)の視点を提示しており、買い手目線では「料金体系横断で必ず聞くべき項目」を持っておくと安心です。
見積もりを取る前に、次を確認してください。
- 広告費は含まれるか/別建てか——成果報酬・固定どちらでも別建てが一般的。
- 初期費用・セットアップ費——複合型やモール出店時に発生しやすい。
- 最低保証額(ミニマムフィー)——成果報酬型で売上が低い月でも発生する下限額。
- システム・プラットフォーム利用料——カート、在庫連携ツール、レビュー管理ツール等の月額。
- 保守・セキュリティ更新費——構築方式によっては別途継続発生。
- スポット業務の都度費用——撮影、ページ追加、繁忙期増員などの追加発注分。
- 契約期間・解約条件——最低契約期間や中途解約時の違約金。
これらを洗い出さずに「月額◯万円」「成果報酬◯%」だけで比較すると、総額が後から膨らみます。見積もりの横並び比較は、この前提を揃えてから行ってください。
構築方式で「月額の構造」が変わる——初期費用×TCOで考える
費用は運用フェーズだけでなく、どの方式でECを構築したかにも左右されます。構築方式は初期費用だけでなく、その後の月額・保守の構造まで変えるためです。EC WITHの整理を参考にした方式別の目安は次の通りです(各社見積もり前提のレンジ)。
| 構築方式 | 初期費用の目安 | 特徴(月額・TCOへの影響) |
|---|---|---|
| ASP(クラウド型カート) | 0〜30万円 | 月額利用料中心で立ち上げが速い。カスタマイズに制約。 |
| クラウドEC | 100〜500万円 | 拡張性と運用効率のバランス。中〜大規模向け。 |
| パッケージ | 500万円前後 | 自社要件に合わせやすいが保守費が継続発生。 |
| フルスクラッチ | 数千万円〜 | 完全自由設計だが初期・保守ともに高額。 |
ここで活きるのが株式会社六の強みです。EC-CUBEからShopifyへの移行で運用コストを40%削減した実績は、まさに「方式選定・移行が月額構造そのものを変える」ことを示しています。
月額の数字だけを見て代行先を選ぶ前に、「そもそも今の構築方式が割高な運用構造を生んでいないか」を疑う価値があります。構築・移行は当社の中核領域です。
モール別の料金感の違い——楽天・Amazon・Yahooで相場はどう変わるか
費用は出店モールでも変わります。運用の仕組みや広告体系が異なり、必要工数が変わるためです。発注検討者は自社の月商を基準に「うちの規模ならいくら」を知りたいはずなので、月商帯に紐づく具体プラン例も添えます。
楽天市場:RMS運用が費用の中心
楽天の運用代行はRMS(Rakuten Merchant Server/楽天の店舗管理システム)の運用が中心で、月額固定型では月10〜30万円が中心帯です。広告運用のみなら月5〜40万円、または広告費の10〜30%といった料率で、複合型では「月10〜30万円+売上5〜15%」も見られます。
月商帯に紐づけると、たとえば月商500万円以下の店舗向けに「固定40〜50万円+成果報酬」といったプラン例を提示する代行会社もあります(出典:EC WITH)。自社の月商をこのレンジに当てはめると「うちの規模ならいくらか」の見当がつきます。
楽天にはRPP(Rakuten Promotion Platform/検索連動型広告)やTDA(Target Display Ads/ターゲティングディスプレイ広告)など独自メニューがあり、運用は別建ての費用になるのが一般的です。RMS設定や商品ページの作り込みに工数がかかり、専門性が費用に反映されやすい領域です。詳細は楽天運用代行の深掘り記事で解説しています。
Amazon:広告運用手数料の考え方が異なる
Amazonの運用代行は、ライトな範囲なら月5〜10万円から、広く任せる場合は月50万円以上まで幅があります。特徴的なのは広告運用手数料で、広告費の約20%を手数料とするのが一般的です。広告費を多く投下するほど手数料も増える構造で、ここを見落とすと総額がずれます。
楽天とAmazonではSKU(Stock Keeping Unit/在庫管理の最小単位)の管理方法や商品情報の登録要件も異なります。「何に工数がかかるか」が変わるため、相場はモールごとに分けて考えることが欠かせません。詳細はAmazon運用代行の深掘り記事で解説しています。
Yahoo!ショッピング:出店コストが低く、料金感も抑えめ
Yahoo!ショッピングは出店時の固定費が比較的低いモールで、運用代行の料金感も他モールよりやや抑えめになる傾向があります。月額固定型では月10〜20万円程度から、月商が小さい段階(たとえば月商100万円以下)では固定10〜20万円+成果報酬といった構成のプラン例も見られます(出典:EC WITH/各社見積もり前提)。
Yahoo!ショッピングはPayPayとの連携やストアマッチ広告など独自の集客導線があり、楽天・Amazonとは運用ノウハウが異なります。3モール横断で検討する場合は、それぞれの料金構造と工数のかかり方を分けて見積もるのが現実的です。Yahoo!ショッピングの運用代行を具体的に検討したい方はYahoo!ショッピング運用代行の深掘り記事もご覧ください。
内製 vs 外注——「どちらが安いか」を数字で比べる
「外注すると高い」という印象だけで判断する前に、内製(自社運用)にかかる実コストと並べて比べるべきです。ここを数値で対比して初めて、外注の損得が見えてきます。
内製の月額コストは「人件費+採用・育成」で考える
内製はコストを抑えられる場合があり、ノウハウが蓄積し、運用の自由度やスピードも高まります。
一方で、専任のEC担当を1名置くなら月30〜40万円程度の人件費が継続して発生し、加えて採用コストや育成期間も必要です。優秀なEC人材は採用自体が難しい現実もあります。1名では繁忙期や専門業務(広告運用、ささげ等)をカバーしきれず、結局スポットで外注する場面も出てきます。
外注・システム導入との数値対比
参考として、内製・外注・システム導入を月額で並べると次のような構図になります(各社見積もり前提のレンジ)。
| 選択肢 | 月額の目安 | 補足 |
|---|---|---|
| 内製(EC担当1名) | 月30〜40万円+採用・育成コスト | 採用難・属人化のリスク |
| 運営委託(外注) | 月数万〜30万円、または売上の5〜10%(出典:ネクストエンジン) | 範囲を絞れば抑えられる |
| システム導入(自動化ツール) | 月3〜10万円(出典:ネクストエンジン) | 工数そのものを減らす |
ネクストエンジンの整理では、運営委託よりシステム導入のほうが月額を抑えられるとされています。つまり「人を増やす(内製)」「人に任せる(外注)」だけでなく、「人が手を動かす量を減らす(自動化)」という第三の選択肢があるということです。
当社の視点:月額代行は「フロー費用」、AI自動化は「ストック資産」——TCOで逆転する
ここで、本記事が冒頭で触れたTCO(総所有コスト)の考え方を、当社なりの主張として一段踏み込ませてください。内製の人件費も外注の月額手数料も、本質は「払い続けるフロー費用」です。 月20万円の代行を3年続ければ720万円が積み上がりますが、契約が終われば手元には何も残りません。商品登録の作業手順も、属性整備のノウハウも、代行会社側に蓄積されたまま外に出ていきます。
これに対しAI自動化は、初期に仕組みを構築すれば「ストック資産」として手元に残る——いわば第4の費用軸です。楽天の商品属性・商品登録の自動化のように、一度組んだ仕組みは商品数が増えても限界費用がほとんど増えません。月額の単価比較では割高に見えても、24カ月・36カ月と運用するTCOで見れば、ある損益分岐点を境にフロー費用を下回ります。低単価・高回転で商品登録の母数が積み上がる商材ほど、この逆転は早く訪れます。当社が「いくらで任せるか」ではなく「そもそもどれだけ任せずに済む仕組みを持つか」を問うのは、この時間軸の差を費用判断の中心に置いているからです。
ここが株式会社六の主張の核心です。外注費も内製人件費も、突き詰めれば「人が手を動かす量」に連動します。だとすれば、その作業量自体をAI・自動化で減らせば、外注か内製かを問わず総額が下がる。次章で具体的に説明します。
「高い/安い」より大事な見極め方——任せる範囲とAI活用で総額は変わる
最後に、価格の数字だけで選ばないための判断軸です。
そもそも「全部を外注する」のが正解とは限らない
前章で見た通り「外注か内製か」は二択ではなく、どの業務を、どこまで任せるかのグラデーションで考えるべきものです。全部を丸投げすれば総額は上がり、外注に出す工数そのものを減らせれば総額は下がります。
株式会社六の立ち位置:フル丸投げは範囲外、総額を「工数削減」で圧縮する
正直にお伝えします。株式会社六は、発送・カスタマーサポートなどのフル丸投げ運営代行は範囲外です。物流から問い合わせ対応まで何もかも任せたいというニーズには向きません(業務別早見表でも「物流=✕」「CSフル代行=△」と明示した通りです)。
当社が特化するのはEC構築・移行と、AI活用による運用効率化です。費用の文脈で最もお伝えしたいのが、「代行に出す工数そのものを減らす」ことで総額を圧縮する視点です。
一般的な運用代行は「人が手を動かす量」に費用が連動します。であれば、その手作業をAI・自動化で減らせば外注費も内製負担も同時に下がります。
具体例が楽天の商品属性・商品登録の自動化です。GPT-5を搭載しSKUプロジェクト(複数SKUを束ねた商品群)に対応した仕組みで、人手で1商品ずつ行っていた商品登録・属性整備を自動化します。これは前節で述べた「フロー費用をストック資産に置き換える」発想そのもので、仕組みを一度持てば商品数の増加に費用が比例しにくくなります。
前述の通りささげ・商品登録はスポット単価が積み上がる領域なので、自動化の費用インパクトは小さくありません。詳細は楽天商品属性自動化のサービスページをご覧ください。
「コスト構造そのものを変えられる」検証済みの実績
費用対効果の文脈で、検証済みの実績を整理します。
- EC-CUBEからShopifyへの移行で運用コストを40%削減——移行と運用設計の見直しにより、毎月の運用コスト構造そのものを軽くした事例。
- Shopifyの構築・改善でCVR(Conversion Rate/購入転換率)を2.3倍に改善——売上の母数を引き上げ、同じ広告費でも効率を高めた事例。
- kintone連携AIチャットボット導入でCS対応時間を60%短縮——問い合わせ対応を自動化で圧縮し、人が対応すべき範囲を絞り込んだ事例。
いずれも「毎月いくら払うか」ではなく、そもそもの作業量=コスト構造を変えるアプローチの成果です。運用代行の費用を考えるなら、「いくらで任せるか」と同時に「そもそもどれだけ任せずに済むか」を検討する価値があります。
任せる範囲の切り分け方そのものはEC運用代行に任せられる業務範囲で、代行を使うメリットの整理はEC運用代行のメリットで解説しています。
「どこを外注し、どこを自動化すれば総額を最適化できるか」を整理したい方はお問い合わせからご相談ください。現状の運用範囲をうかがった上で、AI活用で圧縮できる工数の見立てをお伝えします。全体像はピラー記事、サービス内容はEC構築・運用サービスもご確認ください。
よくある質問
EC運用代行の費用相場は結局いくらと考えればよいですか?
単一の金額では示せません。月額固定型なら月商連動で月10〜30万円/30〜80万円/80〜150万円以上の3段階、成果報酬型なら売上の3〜10%(包括契約で〜25%)、複合型なら固定10〜30万円+歩合5〜15%、スポット型なら業務単位の単価制が目安です(いずれも各社見積もり前提のレンジ)。
まず自社が「予算を読みやすくしたいのか」「初期費用を抑えたいのか」「特定業務だけ任せたいのか」を決め、それに合う体系のレンジで考えるのが現実的です。「商品撮影だけ」「CSだけ」のように業務単位で逆引きしたい場合は、本文の業務別単価早見表を参照してください。
成果報酬型は初期費用を抑えられてお得ではないのですか?
初期費用を抑えられ、成果が出た分だけ払える良さは事実です。一方で売上が伸びるほどコストも比例して増えるため、低単価・高回転商材では固定型より割高になることがあります。
また広告費が別建て、最低保証や初期費用が別途、といった「料率の外側で発生するコスト」もあります。お得かどうかは商材特性と業務範囲次第なので、料率だけでなく「何が料率の外で発生するか」を契約前に確認してください。
楽天とAmazon、費用が高いのはどちらですか?
一概には言えず、任せる範囲と広告投下量で逆転します。楽天はRMS運用と商品ページ作り込みに工数がかかり、月額固定型で月10〜30万円が中心帯。Amazonはライトなら月5〜10万円からですが、広告運用手数料が広告費の約20%と連動するため、広告を多く投下するほど総額が膨らみます。
SKU管理や商品登録の要件もモールで異なるため、「どちらが高い」ではなく自社の運用範囲と広告予算をモールごとに当てはめて比較するのが正解です。
Yahoo!ショッピングの運用代行はいくらですか?
Yahoo!ショッピングは出店時の固定費が比較的低く、運用代行の料金感も他モールよりやや抑えめになる傾向があります。月額固定型で月10〜20万円程度から、月商が小さい段階では固定10〜20万円+成果報酬といったプラン例も見られます(各社見積もり前提)。
PayPay連携やストアマッチ広告など独自の集客導線があり、楽天・Amazonとは運用ノウハウが異なるため、3モール横断で検討する場合はそれぞれ分けて見積もるのが現実的です。詳細はYahoo!ショッピング運用代行の記事をご覧ください。
内製と外注、どちらが安いですか?
委託範囲によります。専任EC担当を1名内製で置くと月30〜40万円程度の人件費に加え採用・育成コストがかかり、属人化や採用難のリスクもあります。一方、外注(運営委託)は月数万〜30万円または売上の5〜10%、自動化ツールの導入は月3〜10万円が目安です(出典:ネクストエンジン)。
重要なのは「人を増やす/人に任せる」だけでなく「人が手を動かす量を減らす」という選択肢があること。さらに、内製も外注も「払い続けるフロー費用」である一方、AI自動化は一度組めば手元に残る「ストック資産」になります。月額単価では割高に見えても、24〜36カ月のTCO(総所有コスト)で見ると逆転する局面があり、作業量自体を減らせば内製でも外注でも総額が下がります。
AIや自動化で運用代行の費用は本当に下げられますか?
下げられる余地があります。一般的な運用代行は「人が手を動かす作業量」に費用が連動するため、その作業をAI・自動化で減らせば外注費も内製負担も圧縮できます。たとえば商品登録や属性整備(ささげ)はスポット単価が積み上がる領域ですが、楽天の商品属性・商品登録の自動化のような仕組みで工数を削減できます。ポイントは、月額代行が「払い続けるフロー費用」なのに対し、自動化は一度構築すれば商品数が増えても限界費用が増えにくい「仕組み(ストック)」として残る点です。
株式会社六では、EC-CUBEからShopifyへの移行で運用コストを40%削減、ShopifyでCVRを2.3倍、kintone連携AIチャットボットでCS対応時間を60%短縮した実績があります。「いくらで任せるか」だけでなく「どれだけ任せずに済むか」を検討することが総額最適化の鍵です。
