Shopify構築の見積もりが「30万円」と「300万円」で桁違い——その理由を判断できないまま、なんとなく安い方を選ぼうとしていませんか。
差が出るのは相手が嘘をついているからではなく、見ている「層」と「作り方」が違うからです。この記事では、Shopify構築費用を月額+構築費の二層に分解し、自社要件での総額目安と、「安すぎる構築」がなぜ後で高くつくのかを、発注する買い手の目線で正直に解説します。
Shopify構築費用は「月額+構築費」の二層で決まる
混同したまま見積もりを比べても、妥当性は永遠に判断できません。Shopifyの費用はまず二層に分けます。
| 層 | 内容 | 性質 | 目安レンジ |
|---|---|---|---|
| ランニング(月額) | プラン月額+アプリ月額+決済手数料 | 毎月の固定・変動費 | プラン4,850円〜(要検証) |
| イニシャル(構築費) | デザイン・設定・カスタマイズ・データ移行 | 最初の一度+改修 | 0円〜1,000万円超(要検証) |
「構築費が安い」と「総額が安い」は別物です。構築費を削っても、毎月のアプリ代がかさんだり改修のたびに費用が出れば、数年で逆転します。
ランニング(プラン月額・アプリ・決済手数料)
Shopifyのプラン月額は2024年5月から円払いに対応し、為替の影響を受けにくくなりました(出典:allweb-consulting.co.jp)。2026年6月時点の公式月額は以下の通りです(出典:shopify.com/jp/pricing)。
| プラン(現行名) | 旧名 | 月額(月払い) | 決済手数料(標準カード) |
|---|---|---|---|
| Basic | ベーシック | 4,850円 | 3.55% |
| Grow | スタンダード | 13,500円 | 3.4% |
| Advanced | アドバンス/プレミアム | 58,500円 | 3.25% |
| Plus | — | 368,000円〜 | 業界最安水準 |
年払いなら割引されます(例:Basic 3,650円/月、Grow 10,100円/月)。プラン名は近年「Basic / Grow / Advanced / Plus」に刷新されており、旧表記の見積書を読む際は注意してください。これにアプリ月額(無料〜数十ドル/月)と、売上に比例する決済手数料が乗ります。プラン月額だけで安いと判断するのは早計です。
イニシャル(構築費)
構築費は最も振れ幅が大きく、単一の「目安額」は存在しません(出典:tsun.ec、web-kanji.com)。次章の「作り方」次第で、数十万円から1,000万円超まで変動します。
構築費は「3つの作り方」で大きく変わる
構築費を決める最大の変数は、デザインや商品数ではなく「作り方」です。大きく3類型に分かれます。
| 類型 | 費用レンジ(要検証) | 向くケース | 限界 |
|---|---|---|---|
| テーマ活用型 | 制作会社30〜100万円/フリーランス20〜50万円 | 標準機能で足りる・スモールスタート・商品数少 | テーマの枠を超える独自要件に弱い |
| 部分カスタム型 | 100〜500万円 | オリジナルデザイン・一部機能追加 | 大規模な外部連携は割高 |
| フルカスタム型 | 500万円〜1,000万円超 | 独自チェックアウト・複雑な会員/定期購入・基幹連携 | 期間・保守コストも増大 |
(出典:web-kanji.com、tsun.ec、grill.co.jp)
テーマ活用型は既存テーマにロゴ・色・商品を設定する作り方。無料テーマ(Dawnなど)でも性能は十分で「安かろう悪かろう」ではありません(出典:digrart.jp)。有料テーマは買い切り約300〜400ドル(約3〜6万円)で販促機能を内蔵します。
部分カスタム型はテーマをベースにデザインや機能を作り込む作り方で、多くの中規模ECがここに収まります。
フルカスタム型へ越境する典型トリガーは、独自チェックアウト、多言語・多通貨、複雑な在庫/受発注・基幹連携、定期購入(サブスク)、大規模なデータ移行です(出典:bindec.jp、web-kanji.com)。フルカスタムで何ができるかはShopifyのカスタマイズで実現できることもあわせてご覧ください。
制作会社・フリーランス・自作の違い——費用だけで選ばない
安い順は「自作<フリーランス<制作会社」が一般的ですが、後工程のリスクはおおむね逆順になります。
| 観点 | 自作(DIY) | フリーランス | 制作会社 |
|---|---|---|---|
| 初期費用 | 0円〜(テーマ・アプリ代) | 20〜50万円 | 30万円〜 |
| カスタム自由度 | テーマの範囲内 | 個人スキル依存 | 高い(フルカスタム可) |
| 運用/改修の継続性 | 自社頼み | 個人都合で途絶リスク | 契約で継続しやすい |
| 障害時の責任範囲 | 自己責任 | 限定的 | 契約で明確化しやすい |
(出典:shopify-holic.jp、system-kanji.com、digrart.jp)
費用だけで選ぶと、安く作れても「軽微な改修を誰がやるか」が宙に浮きます。これが、次に挙げる失敗の本質につながります。制作会社の選び方はShopify構築会社の選び方で詳しく解説しています。
「安すぎるShopify構築」が後で高くつく3つの理由
ここが当社の最も伝えたい論点です。先に断っておくと、安い構築がすべて悪いわけではありません。問題は「独自要件があるのに、安価構築を選ぶ」場合です。
理由1:テーマ無改修の安価構築が、独自要件で作り直しになる。 標準テーマのまま作った後で「定期購入を入れたい」「基幹システムと連携したい」となると、土台ごと作り直しになることがあります。最初から要件があるなら安価構築はかえって割高。逆に、テスト販売段階や標準機能で足りる事業者には、テーマ活用や自作はむしろ正しい選択です(出典:digrart.jp、5-bit.jp)。
理由2:自作の「直接費0円」には、時間という最大コストが隠れている。 DIYは直接費こそ0円〜ですが、担当者が構築に割く時間は本来の企画・営業・顧客対応に使えたリソースです(出典:biz.ne.jp、digrart.jp)。人件費を時給換算すると外注の方が安いケースも珍しくありません。費用は「月額+構築費+見えない時間コスト」の三層で見るのが現実的です。
理由3:失敗の本質は価格ではなく、意思決定と保守体制の合意漏れ。 EC構築の失敗の多くは、プラットフォームや価格ではなく、「流行っているから」で選ぶ意思決定と保守体制の事前合意漏れにあります(出典:eczine.jp、neko-te.co.jp)。契約前に「軽微な改修やアプリ設定を誰がやるか」「トレーニングは提供されるか」を合意しないと、管理画面が英語で自走できず機会損失する、テンプレ偏重で売れないサイトになる、といった形で後から詰まります。
当社のEC-CUBE→Shopify移行では、フリュー社「Mew contact」で顧客7万件・注文16.5万件をデータ欠損なく約4ヶ月で移行しました(規模約200万円)。これは設計と移行設計に投資した結果であり、安さだけを優先しては成立しない仕事です。
要件が固まりきっていなくても構いません。自社要件で何が必要かを整理したい方は、無料モックアップ相談へお気軽にどうぞ。
構築費を「上げる要件・下げる要件」チェックリスト
見積もりを取る前に自社要件を仕分けておくと、提示額の妥当性を判断しやすくなります。
構築費を上げる要件
- 独自チェックアウト要件
- 多言語・多通貨対応
- 複雑な在庫/受発注・基幹システム連携
- 定期購入(サブスク)
- 大規模な商品・顧客データ移行
構築費を下げる要件
- 標準機能で足りる
- テーマに準拠できる
- 商品数が少ない
- 段階的なリリースが可能
上げる要件が多いほどフルカスタム寄り、下げる要件が多いほどテーマ活用寄りになります。当社はAI駆動開発により、こだわり要件を高速・低コストで実装する立ち位置を取っています。自社要件での概算は、無料相談・モックアップへお寄せください。
株式会社六(Roku inc.)のShopify構築の考え方
株式会社六(Roku inc.)は、福岡・北九州を拠点に12年、Shopify Japan設立前からShopifyに注力してきました。
- GIVENCHY・NEIGHBORHOOD:ハイブランドのShopify構築。1px単位のピクセルパーフェクト対応
- サイボウズ商店:Shopify構築+kintone連携アプリ開発(在庫・販売履歴連携/3ヶ月)
- BiYou:EC-CUBE→Shopify再構築。データ移行+ポイントアプリ独自実装(4ヶ月)
- URBAN DOG TOKYO:Shopify→楽天連携。生成AIでSEOテキスト・タグを自動生成(約300万円)
URBAN DOG案件のように、当社は生成AIを実装に組み込む「AI駆動開発」で、100%オーダーメイドに高速・低コストで対応します。
一方で正直にお伝えすると、発送・カスタマーサポートのフル人手代行は当社の範囲外です。当社は構築・移行・カスタマイズ・運用保守(月次)に絞っています。範囲を絞るからこそ、設計品質に責任を持てると考えています。
詳細はECサイト構築・運用支援、個別のご相談はお問い合わせへ。
よくある質問
Shopify制作費用と月額は別物ですか?
別物です。月額(プラン4,850円〜+アプリ+決済手数料)はランニングコスト、制作費用(構築費)はイニシャルコスト。この二層を分けて見積書を読むことが、相場感を持つ第一歩です。
Shopify構築費用の最低ラインはいくら?
作り方によります。テーマ活用型ならフリーランスで20〜50万円、制作会社で30万円〜が一般的なレンジです(要検証。出典:shopify-holic.jp、web-kanji.com)。ただし独自要件が出た際の作り直しリスクは理解しておいてください。
フリーランスに頼むと本当に安い?
初期費用は安いことが多いです。ただし属人的になりやすく、個人都合で改修が途絶えるリスクがあります(出典:system-kanji.com)。費用だけでなく、運用・改修の継続性と障害時の責任範囲もあわせて比較してください。
既存サイト(EC-CUBE等)からの移行費用は?
移行は通常、新規構築とは別見積もりで、データ量・連携要件で変動します。当社ではフリュー社「Mew contact」で顧客7万件・注文16.5万件を欠損なく約4ヶ月で移行した実績があります(規模約200万円)。データ移行は欠損リスクが大きいため、安さだけで選ばないことをおすすめします。
