Shopify構築代行は「丸ごと頼むほど安心」ではなく、「どこを自社に残すか」を決めた瞬間に総額が決まります。
EC立ち上げを任され、社内にShopify構築のリソースがないまま外注を検討する。そのとき多くの方が「構築代行=全部丸投げ」と考えます。しかし、丸ごと頼むほど費用は膨らみ、社内にノウハウは残りません。本記事は「おすすめ会社◯選」ではなく、依頼範囲を3層に分解し、頼まない範囲を決めて総額を下げる発注設計に絞って解説します。
書いているのは、Shopify日本法人の設立前からShopify案件に注力してきた株式会社六(Roku inc.)。福岡・北九州を拠点に12年、GIVENCHYやハーフェレ ジャパンなどのShopify構築・基幹連携を手がけてきた経験から、「正直な依頼設計の話」をします。
Shopify構築代行・制作代行とは?「構築」と「運用」で別物
最初に押さえるべきは、「構築」と「運用」はまったくの別物だということです。
「Shopify構築代行」と「Shopify制作代行」は、実務上ほぼ同義で使われます(出典:stock-sun.com)。あえて差を言えば、「制作」はデザイン・実装寄り、「構築」は初期設定や外部連携まで含む立ち上げ全体、というニュアンス差にとどまります。一方で構築と運用は分けて考える必要があります。
- 構築代行=立ち上げの作業。デザイン、実装、初期設定、決済・在庫などの連携まで。
- 運用代行=公開後の継続作業。商品登録、ページ更新、SEO、広告運用、分析など。
ここを混同すると見積もりの比較ができません。「構築費は安いが運用は別料金」「運用込みに見えて最低契約縛りがある」といった食い違いは、この分離を意識せず発注した結果です。
丸ごと依頼と部分依頼の違い|どこまで頼むかで総額が変わる
Shopifyの代行は次の3層に分解でき、どこを頼みどこを残すかで総額は大きく変わります。
| 層 | 主な作業 | 自社に残せるか |
|---|---|---|
| 戦略・設計 | 事業設計、要件定義、サイト設計 | 残しにくい(外部の知見が効く) |
| 構築・実装 | デザイン、テーマ実装、連携設定 | 一部のみ(専門性が高い) |
| 運用・改善 | 商品登録、撮影、原稿、更新 | 残しやすい(内製で圧縮可能) |
「丸ごと(丸投げ)」とは、この3層すべてを外部に渡すこと。一見ラクですが、典型的な失敗が報告されています。社内に知見がゼロのまま残る、最低契約6か月〜1年に縛られ成果が出なくても解約できない、意図共有が足りずブランドが毀損する、といったものです(出典:stock-sun.com)。
そして最初の正直な分岐です。そもそも構築代行が不要なケースがあります。 小規模で標準テーマをそのまま使う前提なら、Shopifyの月額(Basic 4,850円/月〜)と有料テーマ代(無料〜数万円)だけで自社構築でき(出典:shopify.com)、数十万円〜の代行費が丸ごと不要になることもあります。「足りないか」を確認せず代行ありきで進めるのは、最初の無駄です。
加えて、責任分担を曖昧にすると追加費用や抜け漏れが発生します。「更新は誰が」「画像は誰が」「改修は誰が」を、契約前に責任分担表(RACI)で明確にしておくことを強くおすすめします(出典:stock-sun.com)。
部分委託で総額を抑える設計|自社に残す作業・外に出す作業
総額を下げる鍵は、「外に出す作業」と「自社に残す作業」を分けることです。専門性が高く失敗コストの大きい上流は外に、繰り返し発生する運用作業は内製化の対象にします。
- 外に出す:要件定義、デザイン、テーマ実装、決済・在庫連携、複雑なカスタマイズ
- 自社に残す:商品登録、商品撮影、原稿作成、日々のページ更新
商品登録・撮影・原稿は慣れれば社内で回せます。ここを丸ごと代行に乗せると月額がかさみますが、内製化すれば運用は月額(Basic 4,850円〜)+テーマ代の水準まで圧縮できます(出典:shopify.com)。
委託先の選び方でも総額は変わります。フリーランスは「アプリ設定」「商品画像」「商品登録」といった業務単位での切り出し発注が可能で(出典:lancers.jp)、同規模の案件でもフリーランス20万円〜、制作会社は基本機能でも最低50万円〜と、約20万円以上の差が出るケースもあります(出典:lancers.jp、system-kanji.com)。
ただし正直に言えば、フリーランスには「退職・活動停止で継続できなくなる」「一人で全領域をカバーしにくい」というリスクがあります。長く運用するコア部分は組織に、切り出せる作業はフリーランスに、という組み合わせが現実的です。
Shopify運用代行はどこまで頼める?フル人手運用は範囲外という正直な話
先に当社のスタンスをお伝えします。当社は、発送・物流・カスタマーサポートを人手で丸ごと引き受ける「フル人手運用代行」は行いません。
これは業界の実態とも整合します。発送・物流は、運用代行とは別カテゴリの「物流アウトソーシング(発送代行)」が担う領域です(出典:ul-logi.jp)。受注対応やCSを含む「フル運用」を謳う会社もありますが、それは人手リソースを大量に提供するモデルです(出典:i-staff.jp)。
当社が注力するのは逆の方向。AI駆動開発で100%オーダーメイドを高速に実装し、運用そのものの工数を減らす設計にこだわります。人手を足して回すのではなく、回さなくて済む仕組みをつくる——これが当社の運用への向き合い方です。「できないことを正直に言う会社」を選んだほうが、結果的に発注は失敗しません。
構築代行会社の選び方|見積もりで必ず確認する観点
会社選びでは、肩書きや「Shopifyパートナー」かどうかより、見積もりの中身を業務単位で確認することが重要です。Shopifyパートナーは登録条件を満たせばなれるため、力量の保証にはなりません(出典:web-kanji.com)。
見積もりを受け取ったら、次を確認してください。
- その料金に何が含まれるか:デザイン・実装・初期設定・ディレクション・テーマ代は別か込みか(出典:art-trading.co.jp)
- 公開後の更新・画像作成・改修は誰の責任か:RACIで線引き(出典:stock-sun.com)
- 最低契約期間と解約条件:成果が出ないとき抜けられるか
- 運用の継続体制:管理画面や最新アプリ情報は英語ベースが多く、自力解決できず機会損失になることがある(出典:web-kanji.com)
「料金が安い」だけで選ぶと、含まれない作業が後から追加費用として乗ってきます。業務単位で分解した見積もりを出せる会社かどうかが、最初の判断軸です。
失敗しない発注の進め方|要件整理からモックアップまで
構築後の「使いにくい」「費用が想定を超えた」というトラブルの多くは、要件定義不足が原因です(出典:web-kanji.com、fukuoka-ecsite.co.jp)。避ける進め方はシンプルです。
- 頼まない範囲を先に決める:3層モデルで「残す作業」を確定する
- 要件を言語化する:必須機能・連携先・運用体制を箇条書きで整理
- モックアップで完成像をすり合わせ、責任分担を契約に落とす
当社は要件整理から完成像のすり合わせまでを着手前に行うことを重視します。GIVENCHYのオンラインストアでは百貨店POSとのリアルタイム連携を3か月で、ハーフェレ ジャパンではOracle NetSuite(基幹ERP)と連携するB2B卸売ストアを構築しました。複雑な連携ほど、最初のすり合わせが成否を分けます。
完成像を先に見てから判断したい場合は、無料のモックアップ相談をご利用ください。
よくある質問
Shopify制作代行と構築代行の違いは?
実務上はほぼ同義です(出典:stock-sun.com)。あえて分けると「制作」はデザイン・実装寄り、「構築」は初期設定や外部連携まで含む立ち上げ全体を指します。むしろ重要なのは「構築(立ち上げ)」と「運用(公開後)」の区別で、見積もりはこの2つを分けて比較してください。
フリーランスと制作会社、どちらに頼むべき?
切り出せる作業(商品登録、画像作成、アプリ設定)はフリーランスが安く、同規模でも約20万円以上の差が出ることがあります(出典:lancers.jp、system-kanji.com)。一方でフリーランスには継続性のリスク(活動停止など)があります。長期運用のコアは組織に、単発の作業はフリーランスに、と組み合わせるのが現実的です。
構築後の運用も同じ会社に頼むべき?
必ずしも同じである必要はありませんが、構築時の設計意図を理解している会社のほうが運用はスムーズです。注意したいのは「丸投げ」。社内にノウハウが残らず、どの施策が効いたか分からないまま続くのが最大のデメリットです(出典:stock-sun.com)。残す作業を決めたうえで依頼してください。
費用感の目安は?
新規ECの構築は初期30万〜100万円が中心、基本機能のみで約50万円〜、フルカスタムや大規模で300万〜1,500万円が目安です(出典:art-trading.co.jp、web-kanji.com)。これに加えてShopify本体の月額(Basic 4,850円/月〜、年払い3,650円)がかかります(出典:shopify.com)。小規模で標準テーマなら、代行を使わず月額+テーマ代だけで始める選択肢もあります。
代行に出す前に全体像を押さえたい方はShopify構築とは?費用・選び方・進め方を、料金の内訳はShopify構築費用の相場を、どこまで作り込めるかはShopifyカスタマイズの自由度と限界をご覧ください。どこを代行し、どこをAIや内製で効率化すべきか迷う場合は、お問い合わせからお気軽にご相談ください。初回相談では動くモックアップを無料で構築します。
